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2012年02月16日|attic
The Claremont


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「 パルフリー夫人が初めてクレアモントホテルに着いたのは、一月のある日曜日の午後のことだった。ロンドンの街は雨が降り込められ、夫人の乗ったタクシーは水しぶきをあげながら人気の途絶えたクロムウェルロードを走っていく。くぼんだ小さなポーチを一つ一つ通り過ぎるたびに、運転手は速度を緩め、頭を雨の中に突き出した。そのホテルの名を聞いたことがなかったからだ。、、、、、」
(「クレアモントホテル」集英社文庫より)

小説「クレアモントホテル」はこのような文章で始まります。

公開当時から気にはなっていたものの、観る機会を逸していた映画「クレアモントホテル」。
ようやくDVDで見ることが出来たのですが、その前に原作もと思い、エリザベス・テイラー(かの大女優とは同姓同名!)原作の小説を読みました。

なんとも味わい深い小説でした。

そして上記の出だしの一文から、自分がまるでロンドンにいるような錯覚を起こさせてくれるほどに、気持ちを掴まれたのです。

ロンドンに旅行をされた方で、有名な老舗ホテルや大型ホテルではなく、小さなプライベートホテルやB&Bなどに滞在された方は、私と同じ様な感覚を持たれると思うのですが、いかがでしょうか?

ロンドンのタクシーはご存じの通り、とっても優秀で、市内中心部であれば名所は勿論、全ての通り名(ロンドンにおける住所)を把握しています。
ですので、ドライバーに行き先の通りの名前を伝えたら、何処へでも連れて行ってくれるのです。
でもさすがに通り名の前に付く番地の場所までははっきりしないので、速度を落としながら、建物の玄関前にある柱やドアに示される番号を確認して探してくれます。

空港からヒースロー・エクスプレスで、ロンドン市内のパディントン駅まで。(約15分!!)
タクシー乗り場の長い列。
ようやく私の番になり、助手席の窓が開いて、ドライバーにホテルの住所を告げる。
「OK!」とドライバー。(笑顔だったり、そうでもなかったり、、)
自分でタクシーの重いドアを開けて、大きな荷物(ほとんど梱包材)を座席に放り込む。
初めてのホテルに期待と不安を感じながらも、久しぶりのロンドンの街並に見入ってしまう。
いよいよメモに記した住所の通りに入って、ドライバーと二人、身を乗り出しながら、建物の番号を探す。
「あった!」と思わず日本語の私。

ロンドンに着いた初日の、まだそこの空気や言葉に慣れない緊張感の中での私自身を パルフリー夫人に重ねてしまいました。

なんて、、私事に長くなってしまいましたね。
映画版のお話はまた今度させて頂きます。

写真はロンドンのホテルの部屋からのもの。
着くなり雨。ロンドンですからね。
なんでこんな写真を撮ったかは不明ですが、この小説を読んで思い出した一枚です。(これもまた、現実のロンドンの姿)

さて、来週のプティ・セナクルさんでも、この小説や映画のお話なんかもはさみながら、楽しい時間に出来たらと思っています。
ご参加をお待ちしております。

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