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2012年02月01日|attic
Mr Chips and Tea


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ここ最近はだいぶコーヒーの勢力が増したとは言え、
やはり英国は紅茶の国。
何かにつけては紅茶で一休み。というのは、
いまも変わらずなのではないでしょうか。

ずいぶんと前のことになりますが(20年前!)、
ロンドンでインテリアの学校に通っていた頃、
授業の合間などに先生が、「ではその説明はTEAの後に、、」なんてことがしょっちゅうで、大きなテストや課題の提出前のピリピリしている時なんかもその調子なものだから、勉強熱心で優秀な留学生達があきれ顔でブーイング!な場面もよくありました。

英国の小説や映画などでも、紅茶の時間を描いたシーンは不可欠です。

私の大好きな小説、「チップス先生、さようなら」もその一つ。

赴任先のパブリックスクールと、そこの生徒たちへの教育に、生涯情熱を注ぐチップス先生のお話ですが、
彼が訪ねてくる生徒達や同僚の先生に紅茶をふるまう場面が幾度となく出てきます。

その中の一節に、「可愛いお客達(生徒)たちが、老先生がお茶を入れるのに、色々な缶から匙で入念にお茶を混ぜるのを物珍しく面白がって見ていた」というのがあります。
チップス先生はビクトリア朝期の1848年生まれということなので、「老先生」になっているということは、丁度ビクトリア朝の終焉、新しい世紀の始まりくらい、のことでしょうか。
(「チップス先生 さようなら」新潮文庫から)

ビクトリア朝の中期頃までは、まだまだ紅茶は高級品。
大きなお屋敷ではティーキャディと呼ばれる鍵付きの木箱にお茶の葉を入れていたくらいです。
その中には2つの茶入れがあって、真ん中にはガラスのボウル。
2種類のお茶の葉をそのボウルでブレンドして、好みの紅茶に仕上げ、優雅にティータイムを過ごしていたということです。

チップス先生のお茶の時間はもっと気軽なものであったでしょうが、まだまだ紅茶のブレンドを楽しむという優雅な習慣を楽しんでいたのですね。

でも、腕白盛りの少年たちが、そんな彼の姿を物珍しく面白がっているなんて、小説とはいえ、なんとも微笑ましい光景です。

我々ガリ勉留学生達も、せっかくインテリアを勉強しているのだから、当時の優雅な英国文化もしっかりと身につけておくべきだったと、いまさら深く反省。。

それはそうと、チップス先生が紅茶をもてなす際に好んで出していたのが、「桃色の砂糖衣を被せた胡桃のお菓子」。
どんなものかとっても気になります。。

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